これからの駐車場ビジネス(第6回)
座談会「街活性化と駐車場」その1

今回は「街活性化」について、さまざまな視点から情報の整理をしつつ、駐車場の可能性を広げていくアイディアなどを提供できればと企画致しました。少子高齢化が現在進行形で進み、街づくりの考え方が変わっていくなかで駐車場はどのようにあるべきか。“街と車の関係”、“エリアマネジメントと街の活性化”などについて駐車場との関わりで考えるとともに、2020年に予定される東京オリンピックパラリンピックでどのようなレガシーが作られていくのか、幅広い知見と経験をお持ちの識者の方をお迎えしてお話を伺いました。本号では前半の“街と車の関係”とそこから生まれる駐車場施策とコンパクトシティ富山市での取組などについて掲載致します。

<出席者>

2020組織委員会 輸送局長            神田 昌幸様  
(国土交通省 都市局街路交通施設課 前課長)  
(富山市 元副市長)

 

東京国際フォーラム株式会社 取締役 広報部長   廣野 研一様
大丸有エリアマネジメント協会 理事  
(三菱地所関西支店 前副支店長 兼 グランフロント大阪TMO 前事務局長)

 

全日本駐車協会 専務理事             黒田 和孝

以下、敬称略

街の活性化と車の功罪、駐車場の位置付けと求められる役割

黒田:街における駐車場と車の役割を俯瞰したとき、現状についてどのように分析しておられますか。

神田:“街の活性化”という観点から車の功罪を見た場合、マクロで見たとき、ミクロで見たとき、さらにもう一つスーパーミクロという視点で見たときで整理すべきと考えています。マクロの視点から見ると、車は街の市街地地区へのアクセス性という意味ではプラスの効用を生んでいます。ではミクロの視点ではどうなるか。東京のような大都市では分かりにくいですが、富山のような地方都市では商店街そのものに車が入ってくると、非常に迷惑なところがあります。中心部まで本当に車を入れてしまってよいのか、つまり駐車場の立地問題が出てきます。ですからフリンジ部への立地を促したり、場合によっては集約させる。そこから歩いて街中心部へ向かうようにして、中心部に至るまでの商業的な空間の設えや、歩行者の快適性を作り込んでいくことが重要です。ミクロの視点ではこのような施策が必要なのだろうと思います。 実際に地方都市の中心市街地を対象に考えると分かりますが、商店に駐車場を設けると出入口が賑わいの邪魔をしてしまいます。ですから一筋裏側や大通りに面したところに駐車場を設けて、そこから歩いてもらうということをします。ヨーロッパなどではこのようなことが行われているのですが、“車と市街地活性化の共存”が図られるべきという基本的な考え方があります。つまり、商店街そのものにどんどん車が入ってくるのではなく、ある程度規制も必要であろうということです。これは駐車場というよりは車の利用そのものの問題です。車が買い物をしたり、ウインドショッピングはしませんよね。車に乗ってきた人が降りて、歩いて店に入るのです。

廣野:丸の内はまさにそのような考え方で、ガイドラインに沿ってアメニティ・賑わい軸である仲通り側には駐車出入り口がありません。

神田:これは廣野さんも根幹的な考え方と同意して頂けると思いますが、“活性化”というのは人が街を歩き回ってこそ意味があり、さらに“賑わい”とは、店舗で売り上げが上がるかどうとかいう以前に、店舗の1階レベルにどれだけ人がいるかが基本になります。そのような意味では、市街地中心部の街路や商店街を構成する道路には、ある程度の車両通行規制を設けなければいけない。これは厳格に車の規制をかけるという考え方もありますし、緩くかけるやり方もあります。

黒田:時間帯で規制をかけるやり方はよく行われていますね。

 

丸の内仲通りの舗装

丸の内仲通りの舗装

横浜元町ショッピングストリートの蛇行

横浜元町ショッピングストリートの蛇行

 

神田:他にも車が走りにくいガタガタした舗装にしたり、道を蛇行させてみるとか、ソフト面やハード面も含めた“街なかでの車の使いにくさ”を通じて通行を抑制する方法があります。それと同時に車を収容する駐車場も重要だということです。また、大都市に関しては、エリアごとの特性に応じて最適な規定を条例等に組み込むことで、例えば銀座、丸の内、渋谷といったそれぞれの街の特性に応じた対策を模索することも出来ます。 さらに、より柔軟な駐車料金施策も有効です。イギリスでは、都市ごとの交通計画を策定するLTP(地方交通計画)という計画があるのですが、駐車場については驚くほど柔軟な料金設定がされていたりします。

 

英国ノッティンガム市 LTP

英国ノッティンガム市 LTP

シンガポールのロードプライシング(ERP)

シンガポールのロードプライシング(ERP)

 

LTPでは、TDM(交通需要マネジメント)として駐車場の利用、使用の難易度をコントロールすることも行われています。例えば、車での通勤は規制するが商業利用のための車は使い易くする、通勤は出来るだけ公共交通を利用させるといった手法です。これにパーク&ライドを併用することも行われています。一方、物流を含め商業関連では一定程度の車は必ず必要となりますから、そこは駐車料金でコントロールします。例えば翌日まで駐車する場合はすごく高くなるけれども、2時間以内だったら非常に安くなるといった料金施策もされていたりします。場所によっては、昼間は比較的安くしておいて、夜は高くする。つまり「車でレストランへ食事に来る人はちょっと多めに払ってもらいますよ」といったことも可能なわけで、料金のコントロールはもっと工夫できるだろうなと思っています。

黒田:シンガポールなどでは狭い国土ということもあり、手を変え品を変え、街なかに入ってくる車をコントロールする施策が行われているようですね。

神田:TDMの手法の一つになりますが、海外の場合は普通の道路でもエリアによってはロードプライシングにより課金して渋滞をコントロールすることが行われています。日本でも実施したいという研究者や行政関係者はいるのですが、法制度上の課題もあり 今後のテーマであると思います。そこまで行く前に車をコントロールする手法があると思っていて、それが道路通行料ではなくエリアを広く捉えた駐車場を活用した手法です。ひとつは、駐車場の計画的配置を行うことによって、車が入らないゾーンを作って空間をコントロールするという考え方です。もうひとつは駐車料金の設定によって車をコントロールする考え方で、一番便利そうなところは高くしておいて、遠いところは安くする。料金のコントロールというのは駐車場側のソフト面で対応出来る話なので、比較的簡単だと思います。ただし、都市のポテンシャルによって望ましい手法は異なってきます。丸の内のような場所に相応しいやり方は当然あるし、富山のような地方都市、さらにはもっと人口が少ないところは事情が違うわけで、都市のポテンシャルや特性によってどのような手法を適用すれば良いのかが当然変わってきます。これは、地域特性を踏まえ、よくよく考えて方策を決める必要がありますが、一方で100点満点はないと割り切ることも必要だと思います。ベターな方法を探っていくということですね。

黒田:一方、スーパーミクロの視点からすると、道も混雑せず駐車場所も確保できていれば、車は好きな時に好きな場所へ行ける便利なものといえますね。

神田:おっしゃる通り車とはそもそも自由度が高い移動手段ではありますが、実は公共性が低く、かなりプライベートな乗り物です。ここで出てくる問題が“合成の誤謬”です。皆が自由度の高い車に乗って、道路に集中するとそこは渋滞する。また、使い勝手のよい駐車場に集中すると、そこは混雑の原因になる。一方で、駐車場は予め空間として確保されていなければならないですから車より自由度が低く、停めたい時に誰かが利用していると停められない、といった事態が起こります。そのミスマッチを埋めつつあるのが、駐車場の予約システムだと思います。車の自由度は高いのだけれども、移動の計画性を最低限持たせようという考え方ですね。「車だから自由に乗りたい。都合のいいところに停めさせろ!」という考え方ではなくて、駐車場の配置や料金も関わって車の移動にある程度の計画性を持たせてもいいのではないかということです。

 

神田局長

神田局長

 

黒田:一台あたりの平均乗車人数が2人以下ですから、そのような考え方も必要ですね。

神田:平均1.3人/台位ですね。一方で、富山のみならず世界的にはLRTなどの公共交通が人々の移動を強く支えています。自由度が高すぎる車に対して、交通の公共性をどのように捉えていくかは、駐車場問題を扱ううえで折に触れて考えなければいけない観点だと思っています。

 

ポートランドの駐車施策

神田:スーパーミクロの視点から車を細かくコントロールしている例が、アメリカのオレゴン州ポートランド市です。駐車場そのものに属性をつけ対策を行っています。 例えば、居住エリアにある家族や来訪する友人が停める駐車場と、大規模ショッピングセンターの駐車場では意味が違います。またオフィス街の2時間位商談する際に利用する駐車場と、個人がコンビニに立ち寄って買い物する為の駐車場では意味が違います。つまり駐車場はすべて同じなのではなく、使われ方によって位置づけが違ってくるのです。従って、それぞれの駐車場を住宅の為の駐車場であるとか、オフィス街にある商用利用の為の駐車場であるとか属性を付けて、それぞれ設置の可否を規制しているのです。都市のこのエリアでは土地利用の関係からタイプ1はこの程度作って良いが、タイプ3は駄目といった様に、非常に細かくコントロールしている例があります。

黒田:そのような手法は手間もかかるでしょうし、コストもかかってくることになりませんか。駐車料の課金問題や、ルールを守らないユーザーへの対応など大変そうですね。

神田:それは駐車場を作るときに許認可の関係で位置付けていくことが有効になります。居住者用の駐車場に荷物の配達車両が一時的に停めるのも駄目かというと、それは別の話ですね。利用形態を完璧にコントロールするのではなく、駐車場の属性を位置付けて土地利用にはめ込んでいくのです。

廣野:都市計画的な手法ですね。実際の駐車場の運用はITを活用したり、課金に差を付けたり色々なやり方がありそうですね。

黒田:我が国の附置義務は、施設用途によって一律何台分設置させる考え方ですが、それと必ずしもマッチしないようにも思えます。

神田:併存はします。現在の附置義務駐車場は、乗用車何台、物流対応何台、一部の進んだ都市でも二輪車への対応位を規定されていますが、そこから何の用途のための駐車場か、そこまで踏み込む訳です。敷地毎の土地利用から、ここのブロックは商業利用が多いので、人が歩き易いように駐車場は前面道路ではなく一つ裏側に作らせたり、少し離れた居住ゾーンでは商業用の駐車場は許可せずにレジデンス用の駐車場として整備させるといった考え方です。この辺がポートランドはかなり進んでいます。

廣野:ポートランドではそのような考え方を何時頃から導入しているのですか。

神田:私が知る限りでは、10年近く前ですね。

廣野:それでは課題もメリットも相当いろいろな知見が出てきているはずですね。 

 

ポートランド トランジットモール 出典:APA

ポートランド トランジットモール 出典:APA

ポートランド トランジットモール概念図 出典:APA

ポートランド トランジットモール概念図 出典:APA

 

神田:例えば、LRTを作ってトランジットモールになっている道路に面した場所では、駐車場の出入口であったと思われる部分が家具ショールームの店舗に改修されたりしています。そして、少し裏のLRTが通っていないところのレンガ造りの古い建物が一棟全部駐車場になっていたりします。おそらくトランジットモールに面した駐車場を裏に移しているのだと思います。補助金か何かを出しているのだと思いますが、規制と補償で駐車場の移転を誘導しているのですね。それとポートランドでは街区が一つあると、街区の面に対し半分は店舗にしなければならないといった規制があります。オフィスの連続した壁面とか、平面駐車場がつらなっていることを拒否する街づくりになっている。これは1階部分が対象ですが、そういったきめ細かなデザインコントロールまで踏み込んだこともおこなっているのです。街の景観面や安全面さらに歩きやすさを追求すると、本当は駐車場出入り口は表通りにない方がいい。駐車場もモビリティを支える施設なので、モビリティに於ける倫理観や節度というのは交通の公共性と表裏一体であるべきだと思います。そのようなことも考えていく駐車場の在り方がこれからは必要だと思いますし、欧米はそこまで行っているような気がします。ではどうすれば良いかというと先ほども触れましたが、駐車場の立地コントロール、料金体系のコントロールによって、駐車場の公共性を向上させることです。そうすると車の利用は全く自由度の高いプライベートではなく、公共的な移動に近づいてくる。そのようにしてモビリティ全体の位置づけが変化していくのだろうなと思います。

 

廣野取締役

廣野取締役

 

廣野:ポートランド的なコントロールをより進めていくべきだとお考えですか。

神田:ポートランドは一つのやり方だと捉えています。サンフランシスコはデザインコントロールの歴史がもっと長いのですが、駐車場の出入り口の規制を設けている例もあります。コントロールの仕方は色々あるので、勉強しなければいけないと思います。

 

富山市での取り組み

黒田:次に、富山市での市街地活性化の取組についてお話を伺えますか。

神田:富山市は公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりを進めていて、我が国におけるコンパクトシティのリーディングシティになっています。LRTの整備が先行して進み、これがプロジェクトのキックオフになっています。とはいえ、交通問題については他にも色々なことに取り組んでいて、私が副市長を務めているときも、駐車場施策に力を入れ始めました。特に市街地の駐車問題というのは重要で、富山は公共交通を軸にと宣言したというものの、地方都市であることから、圧倒的に車の利用が高く、決して車の利用を否定している訳ではない。そうして公共交通の利用と車の利用を共存させようと考えたとき、実は駐車場というのは極めて重要なアイテムになるのです。

黒田:利便性を削がない形でいかに車から公共交通に乗り換えさせるか、ということでしょうか。

 

黒田専務理事

黒田専務理事

 

神田:乗り換えさせる目的もあるし、適切な役割分担を図るという目的もあります。つまりは共存を考えていくわけですね。例えば富山では雪が降ると、除雪の問題も発生して道路はすごく渋滞します。かたや軌道系というのは結構雪に強いので、雪が降ったら路面電車の利用者が増えます。雪が多い年ほど、路面電車の採算性が向上するのです。車の利用と公共交通の利用というのは天候によって分担率が揺れるのですね。それは移動手段としての選択肢があるという見方も出来ます。天気もいいし荷物が少ないから自転車で行こうというのも良いですし、シェアサイクルを利用するのもありで、移動においてそのような選択手段があることが重要だと思います。 

 

地方都市での駐車場活性化は

神田:富山にはグランドプラザという“街なか広場”を核にした商業施設や専門店街があります。その隣にグランドパーキングという630台位の駐車場があり、一番使い勝手が良いので皆そこに車を止めようとします。ところが、駐車料金を調べてみたら一番便利なグランドパーキングが一番安いということが分かったのです。微妙にちょっとだけ安かった。金銭感覚の鋭い富山の人たちは、皆そこへ行こうとするから大渋滞です。車を止めるのに20分も待たないで200m先に行ったら、外にも民間経営の駐車場があるからそこに停めて歩けばいいのですが富山の人はしない。近隣駐車場も店舗等と提携しているので、買い物をしたらそこでも料金は安くなりますが、やっぱり待つのですよ、不思議なことに。そこで駐車場の協議会を立ち上げて色々調整しようとしたのですが、民間駐車場の方は何故そんなことを市役所から言われなければならないのか、それなりに経営できているので自分の駐車場は今までどおりで良いとか、料金変更にはシステム変更をしなければならないとか、様々な異論が出るわけです。社会主義国家や共産主義国家であれば「えいやっ!」と進めてしまえるのですが、資本主義国家の我が国では同じようには行きません。民間駐車場の方と地域の全体最適を目指す協議会の関係を共存させていくのは難しい課題でしたね。駐車場を借り上げて公営にしたうえでコントロールできれば料金施策が展開できますが、実現はなかなか難しい。街の在り方と駐車場にはそういった問題があります。

 

富山グランドプラザ

富山グランドプラザ

丸亀町商店街 出典:高松市HP

丸亀町商店街 出典:高松市HP

 

廣野:高松市の丸亀商店街では共同組織が出来てそこが一括してオンする形で、駐車場を経営して収益源にしていますよね。

神田:あそこでは前の世代が結構お金を貯めまして、商店街から第二地銀が移転した際に跡地を購入して駐車場をつくり、それを大きな収益源として街づくり協議会のベースを支えているのです。エリアマネジメントの視点から考えていった場合には、料金コントロールの問題も解決し結構重要な収入源にもなります。個々の経営者がいる場合には、なかなか自分たちの損になるようなことは賛同を得られないことが多いですので、公共性であるとか一つの目的となるビジョンを皆で共用できるかが、ポイントになると思います。

黒田:地方都市の場合には、駐車場を自分で経営している方や、遊休地から何某かの収入を得ようとコインパーキングとして借り上げてもらっている方もいます。更には自前での駐車場運営が負担になっている中心市街地の施設等が、コインパーキング事業者へ 運営委託する例も増えています。その意味では、コインパーキング事業者が駐車場運営を面で押さえている状況が生まれつつある訳ですが、今おっしゃっている“街の活性化”とか“コンパクト&ネットワーク”や“集約化”といった動きに上手く適応していけるかという課題が生まれてくるかもしれません。再開発となると地権者の意向が強く反映されますから、“所有と運営”という点で改めてクローズアップされてくると思います。

 

P12

 

神田:それは“都市化のダイナミクス”或いは“都市の元気さ”というか、それとの関係性によって大分違ってきます。都市再生法の改正では都市のスポンジ化といっていますけど、まずスポンジ化が起きている場所では今おっしゃったように駐車場になります。平面駐車場が一番安全な資産運用なのですね。それが再開発の流れができてくると、そのようなスポンジ化で細切れになっている平面駐車場が、開発の中に吸収されていくことで解決することになります。しかし都市の中心部から離れると、“ダイナミクス”がないのでスポンジ化の平面駐車場は残り続ける。まして人口は減ってくるので、空き家問題も発生し、更にはそれが平面駐車場になる。これは直ぐには解けない問題ではあります。都市の中心部だけは出来るだけそのような状況は避けていきたい。しかし郊外部においては、ある程度許容していかざるを得ないと思います。

廣野:話題は少し変わりますが、街の活性化イベントと駐車場の関係で思わぬ事態がおこったとのことですが。

神田:これは結構面白かったです。富山では年間で土日の週末を5回、計10日間ですが、“街 なか感車デー”ということで、エリア内の駐車場を無料にするイベントをやっていました。最初は売り上げがパッと上がって効果があったのですが、徐々に効果が減ってきました。おかしいなと思って調べましたら、従業員が朝早くきて夕方まで止めているのです。もっとひどいのは学生が金沢などに行く際に、各自が車で無料の駐車場に集合して1台の車に3~4人乗って出かけていくわけですよ。これでは全く意味がないので、関係者に説明をして2時間とか3時間限定とするよう運営を変えました。もっとも、そのうち手間の割に効果が上がらないということで、“街なか感車デー”そのものを止めたようです。

 

グランフロント大阪

グランフロント大阪

グランフロント大阪 駐輪場

グランフロント大阪 駐輪場

 

廣野:無料化に関する施策はとても難しいですね。大阪駅前のグランフロント大阪では約830台収容する大きな駐輪場をつくりましたが、周辺と比べても料金は安く設定され、最初の1時間半から2時間は無料で12時間100円から24時間150円で設定しました。そこで何が起きたかというと、今お話にでたように約270店舗の商業施設を抱えるので店舗従業員が朝早くきて皆そこに駐輪してしまう。そうすると一般の人たちが使えないという状況が起きてしまいました。その後商店会で自転車通勤抑制をお願いしたり、駐輪料金を4時間100円に上げるなど対策を講じましたが、このような問題は必ず発生しますね。やってみないと分からないという“トライ&エラー”の部分って結構あります。

以下 次号