総会見学会参加レポート

和光ファーム株式会社
代表取締役 時松 進一郎

 

6月14日(木)及び15日(金)に愛知県にて開催された第57回通常総会見学会に参加した報告を致します。

 

6月14日(木)

 

icon-square 金城ふ頭駐車場

集合場所である名古屋駅をバスで出発し、伊勢湾岸自動車道を進むとその先に「名港トリトン」と呼ばれる名古屋港と周辺工業地帯を結ぶ3つの大橋が見えてくる。3橋の最初の名港西大橋を渡ると名港中央ICがあり、高速をおりてすぐの立地に金城ふ頭駐車場がある。金城ふ頭駐車場は2017年3月にオープンした名古屋市営の6層7段式立体駐車場で、隣接するレゴランド内にホテルが2018年3月に開業をしたのを機に現在は24時間営業している。東西に300m南北に100m伸びる大型駐車場で、収容台数は国内最大級の5,010台を誇る。駐車場利用者は主に隣接するレゴランド及び市の国際展示場来場者で、駐車料金は1時間500円、打切は平日1,000円、 休日1,500円に設定されており精算方式は現金のみとなっている。

金城ふ頭駐車場

金城ふ頭駐車場

我々はまず、基準階として設定されている3階から見学させていただいた。3階が基準階とされている理由は、レゴランド方面と直接繋がっている連絡橋が3階にあるためだそうだ。平日のため数は少ないが、期待に胸膨らませるお子様を連れた家族連れとすれ違いながら連絡橋を通り駐車場敷地内に足を踏み入れると、出入口に並ぶ10台の事前精算機(内1台はユニバーサル デザイン)が目に飛び込んでくる。精算機のすぐ横には係員が常駐しており、事前精算率の向上に努めているとのこと。見学当日は平日だったため稼働していたのは3台のみでそれ以外の精算機にはシートがかけられていた。事前精算機はこの10台の他に16台、計26台設置されており出口の混雑緩和を担っている。EVホールに向かう歩行者デッキやEVホールで目に付いたのは各種多様な案内板だ。その内容は、ルームライト消し忘れ防止の啓発、各階毎に設定された色分けの案内図、AEDの位置が表示された駐車エリア図、さらに駐車位置を忘れた時のための駐車位置の写真撮影奨励など多岐に渡り驚かされた。

ルームライト啓発案内

ルームライト啓発案内

駐車位置撮影の奨励案内

駐車位置撮影の奨励案内

次に見学したのは駐車場への入口階となる2階。建設段階で1時間当たり2,300台の入出庫(一般道から1,000台、高速道から1,300台)を想定しており、入庫待ち渋滞による車両滞留を考慮し2階を入口としたそうだ。入場レーンも上記の想定に合わせ、高速から5レーンと一般道から4レーン、計9レーン設定となっている。出入口共通の特長として、高速タイプのカーゲートと車番システムが採用されている。さらに、ダイレクトスロープ方式の採用により、各入庫車が螺旋状に迂回することなくダイレクトで各階へ直接誘導される工夫が施されている。なお、車番システムで取得した地域別の利用台数や駐車時間は名古屋市が帳票管理して利用状況の把握に役立てている。入場レーンから場内の床に目を移すと、平坦ではなくゆったりと波を打っているのが分かる。これは、床面積が広大なため波勾配を採用しているためだそうで大型駐車場ならではの光景であった。駐車スペースには余裕がとられ、ブロック毎のセンサーで満空管理されている。また、迷子防止のため混雑時には誘導員の巡回も行っているそうだ。

高速ゲートが並ぶ入場レーン

高速ゲートが並ぶ入場レーン

ダイレクトスロープで各j階へ

ダイレクトスロープで各階へ

波勾配の床面

波勾配の床面

この後、出口階となる1階へ移動。こちらも入口と同様に一般道へ4レーンと高速道へ4レーンの計8レーンにダイレクトスロープ方式が採用され、早さと安全性を確保している。順路の混乱を防ぐためレーン手前から場内サインによる誘導がされている。混雑状況を伺ったところ、若干割高な料金設定による周辺施設への客足の影響もあり去年の満車は2回のみで、当初想定していた年間ピーク45日を下回っているとのことだった。

 

■リニア・鉄道館

まず我々を迎えてくれたのが、過去・現在・未来を象徴するC62形式蒸気機関車、955系新幹線試験電車(通称300X)及び超電導リニアMLX01-1の3車両。それぞれの車両が記録した最高速129km/h、443km/h、581km/hはそのまま高速鉄道技術の進歩を物語っている。奥に進むとそこは吹き抜けの大空間で、在来線から超電導リニアまで39両の実物車両が大迫力で展示されており大いに子供心をくすぐられた。

大迫力の新幹線展示

大迫力の新幹線展示

各種在来線の展示も

各種在来線の展示も

館内は模型やパネル、実物を使って鉄道の仕組みや歴史を体験しながら理解できるようになっている。中でも印象的だったのが超電導リニア展示室で、浮上や走行の原理を学べリニア実物大の客室コーナーでは時速500kmの乗り心地を模擬体験することができる。超電導リニアはその構造上、時速150kmに達して初めて十分な浮上力が発生するため、時速150kmを超えるまでは航空機のタイヤを基に開発されたゴムタイヤで走行し、十分な加速を得ると飛行機さながらタイヤを車体に収納し約10cm浮上して走行する。停止時はその逆に一定速度でタイヤを出して減速する。模擬体験機での走行から停止までの乗り心地は、飛行機の離陸及び着陸にとてもよく似ていて、タイヤ走行中は飛行機が滑走路を走る時と同じような振動があるが、ゴムタイヤを収納して磁気浮上に移るとほとんど振動を感じない。対向のリニアとすれ違う場面もあったがそれほど大きな振動を感じる暇もなくあっという間にすれ違いを終えた。また、時速 270kmを超えた車外の景色は未知の世界であり、一瞬で風景が流れていく感覚を味わった。 リニア展示室の他にも、先行列車との間隔や進路の条件に応じて運転台に列車の許容速度を示す信号を連続して表示し、列車がその速度を超えた場合に自動的に許容速度以下になるよう制御するATC(Automatic Train Control:自動列車制御装置)や、線路から離れた箇所にある検知点で初期微動を検知すると主要動(S波)が沿線に到達するまでに列車の速度を低下させるテラス(Tokaido Shinkansen Earthquake Rapid Alarm System)など、安全な運航を保つシステムを学ぶことができた。高速鉄道として安全性を保ちつつ正確かつ安定した輸送を実現することで日本の技術力の高さを世界に示し、一時期の「鉄道は斜陽産業」との国内外 の評価を覆し発展を遂げてきた先人の叡知と努力に頭が下がると共に、駐車場管理における安全の追求を常に怠らず一層の意識を注がねばという思いに駆られた。

脱線防止ガード

脱線防止ガード

名古屋駅周辺のジオラマで鉄道の1日を再現

名古屋駅周辺のジオラマで鉄道の1日を再現

 

 

 icon-square アイシン精機株式会社 自動バレー駐車運転デモ見学

続いて我々は愛知県刈谷市へ移動し、アイシン精機株式会社田中様ご案内のもと、自動バレ ー駐車運転デモを見学させていただいた。アイシン精機株式会社は、主に自動車部品の開発と生産を行う我が国屈指の総合自動車部品メーカーだ。近年、自動車の自動運転が大きな注目を浴びる中、駐車支援技術に的を絞り将来の日本の街を変える可能性のある自動バレー駐車シス テムの研究開発に注力している。一口に自動運転と言っても、1つの操作のみ自動化された状態をレベル1、複数の操作が自動化された状態をレベル2、システムが全て運転操作を行うが緊急時はドライバーが操作する状態をレベル3、ある一定の区間などケースが限定された中で全ての操作にシステムが責任を負う状態をレベル4、家を出て目的に着いて駐車を完了するという全ての行為が自動化された状態をレベル5、というように5段階にレベル分けされている。今回見学させていただいた自動バレー運転とは、「ホテルについてボーイに車を預けると駐車してくれて、出かける時にはフロントまで持ってきてくれる」という一連の流れを自動化するというイメージだ。駐車場利用者は駐車場の出入口でスマートフォンによる操作を行い、無人で車が駐車場内を走行し入出庫を行う。駐車場管理側は安全を確保するため駐車場内の人の出入りを制限した専用エリアを設け、場内の管制塔からシステムを通じ車にどこへ止まるかどこを走るかといった指示を出す。曲がり角の先など車が見えない範囲は、管制塔上に設置されたインテリジェントカメラが監視し、侵入者など危険を検知した場合には車両停止を行う。

デモ見学前に自動バレーの説明

デモ見学前に自動バレーの説明

今回の見学では、屋外に準備された自動バレー専用駐車場においてスマートフォン操作一つで、駐車された自動車が別の駐車スペースへ自動運転により駐車する一連の流れを見ることができた。専用エリアとして区分けされた屋外駐車場に駐車されたプリウスには、念のため運転 席に女性が乗っているものの、自動運転であることを我々が認識しやすいようその両手は挙げられている。田中様がスマートフォンで駐車開始の操作をすると同時に、ゆっくりとプリウスは前へ動き出し駐車スペースの白線にかかることなく左に車路を進んでいく。15mほど進むとスムーズに左折、10mほど進みさらに左折して、さきほど駐車していたスペースとは別の車路に入る。15mほど進んだところで、右側にある駐車スペースへ一度も切り返すことなく見事に白線内に駐車した。こうした自動運転は過去に動画で見たことはあったが、実際にこの目で見てみるとその正確さに大変感動を覚えた。センチメートル単位での自動駐車制御技術はアイシン精機株式会社の得意分野だそうで納得だ。なお、国連の規則により自動運転は時速10km未満に規制されている。今回のプリウスには超音波センサー12個とカメラ4台(ナンバー脇とド アミラー下に各2台)が装備されていて、カメラの適正数は現在実証実験で調査中の段階とのこと。管制塔の上にはカメラ2台が設置されており、車から遠方の状況を監視し車に指示を送っている。実際に自動バレー運転の走行中に田中様が場内に入り、車両が自動で停止する様子も見せていただいた。車路の認識は、約30cm角のゴム素材の運行マーカーを車室前に置き管制側カメラで認識することにより走行ルートを生成している。マーカーを置く間隔は10mを想定 していて、GPSが入らないような地下でもシステムが使えるためこの方式を採用している。マーカー設置場所は通行帯への設置のため位置は多少ルーズでも可とのこと。自動バレー運転のメリットとして、センチメートル単位での自動駐車技術を駆使し、より狭い間隔で駐車できることによる駐車台数の増加、駐車待ち滞留時間からの解放、充電器1台でシェアが可能、などが挙げられた。また課題としては、降雪地など路面が見えにくい状況での運用(センサー増で対応が可能か模索中)、縦スペースと横スペース混在時の認識、などが挙げられた。今回は他に見学者があった関係もあり残念ながら自動運転車への同乗は叶わなかったが、実際にデモ走行を見学して、変化する駐車場形態への柔軟な対応力を身につけなければならないという思いを抱くと共に、自動運転の半歩先をいく独自の自動バレー運転研究により常にフィードバックする側でありたいとするアイシン精機株式会社の開発姿勢に胸を打たれた。

管制に指定された駐車区画前で駐車開始

管制に指定された駐車区画前で駐車開始

切り返すことなく見事に駐車

切り返すことなく見事に駐車

車路を認識させるマーカー

車路を認識させるマーカー

管制塔上に設置されたインテリジェントカメラ

管制塔上に設置されたインテリジェントカメラ

 

 

6月15日(金)

 

■MRJミュージアム

三菱重工業が製造する国産初のジェット旅客機MRJ、その最先端テクノロジーが紹介された展示施設と実際の組み立ての工程を間近で見られるミュージアム見学へ胸躍りながら参加した。あいち航空ミュージアム内にあるチェックインカウンターにて身分証を提示し受付を済ますと、マイクロバスに乗りMRJミュージアムへ移動。 ミュージアムに着くと準備時間が設けられ、この間にスマートフォンを含む全ての撮影機器を各自ロッカーに預けるという厳重なセキュリティ体制。ワイヤレス受信機を受け取り三菱重工業株式会社佐藤様アテンドのもと、いよいよミュージアムへ入館。

チェックインカウンター

チェックインカウンター

唯一撮影が可能なミュージアム入口

唯一撮影が可能なミュージアム入口

エレベーターを降りると、通路が滑走路風にデザインされていて期待が高まる。この通路は、名古屋空港の滑走路を忠実に再現されていて、その長さや壁面に描かれた離陸するMRJの滑走距離も縮図になるよう計算されているそうだ。展示室に入る前に、まずは大型スクリーンによるムービーでMRJの開発から初飛行までのストーリーを鑑賞した。 展示室に入るとすぐに実物大のMRJの機首が姿を現す。ここでMRJのデザインのコンセプトについて説明を受ける。ボディの流れる曲線は日本刀、ボディに描かれる赤・黒・金は漆塗り、コックピットの窓の縁取りは歌舞伎の隈取りといったように日本の伝統美が表現されているそうだ。機首内のコックピットと客室は観覧可能となっている。コックピットには、下部が黒、上部が白をベースとする配色や15インチ4面ディスプレイ採用による視覚的な工夫が施され、パイロットにも好評を得ているとのこと。客室は、貨物室を機体下部から後方に移動したことにより天井を高くしゆとりを確保している。また、真円を描く機体の形状により肩肘が当たらず圧迫されないことも素晴らしい。桜の花びらを意識した照明や富士山をモチーフにした天井のデザイン、日本庭園をイメージした水の紋様が描かれた床絨毯など乗客を楽しませる遊び心も感じられた。座席の素材は布製と革製の2種類あり、欧米の航空会社には清掃が容易な革が好まれ、アジア圏では高湿度の関係で布が選択されることが多いそうだ。格納棚には持ち込み可能な最大サイズのキャリーも格納が可能で大型機からの乗り継ぎも計算されている。 続いて翼とエンジンのカットモデル展示コーナーへと移動。ここでは、翼エンジン共に実際に木製の原寸大模型を作製し度重なる模擬運転を行うことにより生まれたというMRJ独自の 様々な工夫が紹介されている。奥に進むと、軽量化と燃費向上のため採用された炭素繊維複合素材からなる垂直尾翼の供試体を実際に手に取ることができるが、「本当に尾翼に使われている素材なのか。」と思うほど重量感がない。鉄の1/4の重量ながら10倍の強度をもつという説明を聞き、こうした高性能な素材を一つずつ集めMRJが製造されているのだという実感が湧いた。この次のコーナーでは100万点にものぼるというMRJのパーツの一部が展示されており、各工場からパーツが最終組立工場に集結する物流の過程もパネルで展示されていた。製造現場のコーナーでは、備え付けのタブレットを手に取り機体内部や機体下部の製造作業などを360度自由に楽しむことができた。 最後に2階へ移動し、最終組立工場をガラス越しに見学。工場内には組立エリアと艤装エリアがあり、組立エリアで胴体と翼を結合の後、艤装エリアに移動してドアやフラップなど全機艤装を行うそうだ。それぞれのエリアは一度に6機製造できるほどの広大なスペースがあり月産で10機まで対応できるそうだが、現在はまだ量産体制に入っておらず、どちらのエリアもフル稼働しているとは言い難い状態であった。アテンドいただいた佐藤様から「量産体制に入って2年後位にまたお越しください。」というお話もあったが、海外技術者を受け入れその経験豊富な知見を積極的に取り入れていくというニュースも耳にする昨今、日本航空業界の悲願であ るMRJが両エリア一面に並ぶ日を楽しみに待ちたいと思う。

 

■有楽苑 

国宝茶室如庵信長の実弟である織田有楽斎は茶の湯の創成期に尾張国が生んだ大茶匠であり、その波乱に富んだ生涯の晩年に武家を棄て京都建仁寺の正伝院に隠棲したとされている。今回、有楽がその境内に元和4年ころ建てたとされている国宝茶室の如庵を見学する機会に恵まれた。正伝院は明治以降に各地を転々としたが、縁があり安住の地を犬山に得て「有楽苑」と名付けられたそうだ。小雨が降りだす中、有楽苑に足を踏み入れ武家屋敷の門の代表作と言われる岩栖門と緑との対比が美しい含翠門の二つの門をくぐると、その先に手入れの行き届いた庭園が広がる。その落ち着いた雰囲気に心を癒された。弊社の駐車場にも、わずかでもどこかこのような憩いのスペースを設けられないものだろうかなどと思案しながら歩を進めると、その水滴の音 が琴のようだと名付けられた水琴窟が見えてきた。耳を澄ましてみたもののあいにくの雨模様で雨音が混ざり、琴のようなだと言われる音がクリアに聞けなかったのは残念であった。

有楽苑入口

有楽苑入口

水琴窟

水琴窟

更に進んでいくと、上品で温和な佇まいの入母屋造の建物が見えてきた。「あぁ、これが国宝茶室如庵か」と内部を見学していると境内のボランティアガイドの方から、この建物は如庵ではなく旧正伝院書院である旨のご指摘をいただく。こちらは如庵に連なる隠居所だそうで、こちらも重要文化財に指定されているとのこと。その横にひっそりと趣深く建っているのが国宝茶室如庵。中の撮影は禁じられていたが、その中を覗くと二畳半ほどの小さな茶室。床脇に鱗板を入れて壁面を斜行させ、茶道口から客座へ給仕をしやすくしていたそうだ。黒く塗られた床柱に質素な中にも武家風の力強さが感じられた。この後ガイドの方から、有楽はクリスチ ャンでそのクリスチャンネームであるJoanからこの茶室も如庵と名付けられた説があることや、マッカーサーの解任があるまで中々国宝指定されなかったという興味深いエピソードを丁寧に教えていただいた。私の様子を感じ取り、機を見てお声掛けいただいたガイドの方のおもてなしの姿勢を駐車場での応対にもぜひ取り入れていきたい。

国宝茶室如庵

国宝茶室如庵

緑と調和が取れた石灯籠

緑と調和が取れた石灯籠

 

■国宝犬山城

有楽苑を出て木曽川沿いの道をバスで進むと10分もかからず犬山城の駐車場に到着。駐車場を出るとすぐに犬山城の入り口があり坂を歩いていくと、別名白帝城と呼ばれる犬山城が見えてきた。江戸時代の儒者、荻生徂徠が李白の詩にいう長江の上流四川省の山地にある白帝城からとって命名したそうだ。犬山城は、建坪面積360.353㎡、総延面積698.775㎡の望楼型外観3重の天守で、高さは石垣から19m、地上から24mあり内部4階と地下2階(石垣の中)の6階構造になっている。織田信長の叔父である織田信康が天文6年に木之下城を移して築城したと伝えら れ、天正12年小牧・長久手合戦の際には羽柴秀吉は大軍を率いてこの城に入り、小牧山に陣をしいた徳川家康と戦った。江戸時代になり、元和3年尾張藩付家老、成瀬正成が城主となってからは成瀬氏が代々受け継いで幕末を迎えた。明治24年の濃尾震災で天守は大きな被害に見舞われ、同28年愛知県から修復を条件に旧城主である成瀬氏に譲渡されたそうだ。また、多くの市民からの義援金により修復工事が行われた後に、昭和34年の伊勢湾台風などで天守の破損が激しくなったため、全面的な解体修理工事が行われた。天守が国宝に指定されたのは昭和10年で、同27年規則改正に伴い再指定された。天守の創建年代は天正頃、慶長5、6年などいくつかの説があり、現存する天守の中では最も古いと言われている。

駐車場からの風景

駐車場からの風景

いよいよ天守の中へ

いよいよ天守の中へ

天守内は土足禁止のため靴を脱ぎ1階に入ると、4室に区画された中央部の周囲をめぐる武者走があり、西南部には床が七寸高くなった上段の間があった。ここは創建当時の城主の居間で、その北に8畳ほどの万一を警護する武士の詰所が置かれていたそうだ。傾斜角が50度以上と言われる険しい階段を上り2階に着くと、中央に武具の間がありその東西北には武具が展示されている。ここは外観では二重の屋根裏にあたるそうだ。入母屋屋根の中に位置する3階は、破風の間、小間合わせて40畳のスペース。天守内の階段はどれも急勾配のため、私もこの辺りで息が切れてきた。意を決し「頭上にご注意を」と表示された看板をくぐると、ついに最上階4階へ辿り着く。最上階には28畳の高欄の間があり、南北の出入口からは四方に広がる約半間の廻縁に出て天守からの眺望を楽しむことができる。ほとりを流れる木曽川や城下町、遠くは名古屋の街まで360度眺めることができ絶景であった。急な階段を登ったあとだけに川からの風がとても心地よく感じられた。

2階には武具の展示

2階には武具の展示

急勾配な階段

急勾配な階段

天守からの眺め

天守からの眺め

木曽川方面

木曽川方面

天守横の御神木

天守横の御神木

城下町を散策して遭遇した山車蔵

城下町を散策して遭遇した山車蔵

 

■最後に

私は今回初めて全日本駐車協会主催の研修会へ参加させていただきました。駐車場の見学のみならず、その歴史を強く感じられる国宝施設や通常だと中々立ち入ることのできない施設への見学などもあり、大変貴重な経験を得ることができました。また、参加されている会員の皆様もあたたかく迎えてくださり次回もぜひ参加させていただきたい思いを強く抱きました。最後に、このような研修会を企画していただいた一般社団法人全日本駐車協会の事務局の方々並びに今回の研修会を陰で支えていただいた方々、各施設において懇切丁寧にご説明いただいた方々皆様に改めてお礼を申し上げます。

 

<事務局追記>

6月15日(金) ゴルフコースについて

見学会の二日目は、観光コースとゴルフコースに分かれて実施致しました。井上誠一氏の設計による愛知カンツリー倶楽部で開催され、名古屋協会の会員も含めて約40名の方が参加されました。スタートから暫くは降雨がありましたが、その後は天気も回復し参加された方々の親睦も大いに深まり、充実した一日となりました。

以上